当クリニックでは、乳腺に関する全般的な診療を行います。
乳房にしこりができる乳腺疾患には、乳がん以外にもさまざまなものがあります。しこりが良性か悪性かは専門外来による検査で調べてみるまでわかりません。乳房は非常にデリケートな部位ですので、診察に抵抗を覚える方が多くいらっしゃいます。しかし早期発見することにより、治療方法やその予後が大幅に変わります。乳房の診察に抵抗がある方も、お気軽にご相談ください。

下記のような症状がある場合、当クリニックにご相談ください

  • 乳房にしこりがある
  • 腕を挙げたときに、乳房に「えくぼ」や「ひきつれ」がある
  • わきの下にしこり(硬いリンパ節)や腫れがある
  • 乳房全体が赤く腫れたり、ほてりがあったりする
  • 乳房の左右サイズが変化した
  • 乳頭にびらんやただれがある

診察のながれ

01

基本検査

原則、視触診とマンモグラフィ検査、超音波検査を行います。
(注:病状などにより検査内容は変わる場合があります)

02

精密検査

検査の結果、必要な場合はさらに細胞診、組織診(針生検)による精密検査を行います。

03

手術の判断

精密検査の結果、手術等の治療が必要となった場合には相談の上、ご希望の病院に紹介させていただきます。

04

手術

手術が必要であると診断した場合、院長自ら提携医療機関である『佐世保中央病院』に出向し、手術を行います。

乳腺外科で診療する代表的な疾患

乳がん

乳がんとは、乳房の中にある乳腺にできる悪性腫瘍です。乳腺は乳頭から木の枝のように放射状に広がり、その先に小葉と呼ばれる母乳を作るところがあります。母乳を乳頭まで運ぶのが乳管です。乳管から発生する「乳管がん」、小葉から発生する「小葉がん」があります。
初期は自覚症状もなく、放置しているとがん細胞がどんどん増殖しますが、5mm~1cmぐらいの大きさになると自分でも触って探すことができます。そのため、早期発見のためには自分で気づくことも大切です。ただし、しこりのほとんどは病的なものではなく、病的であってもがんではないものが大半ですので自己判断を過信するのはよくありません。少しでも乳房の異変に気づいたら早めに受診してください。

乳がんによくみられる症状

  • 乳房にしこりがある
  • 乳房にえくぼのようなひきつれができた
  • 乳頭から血液のような分泌物が出た
  • 乳頭や乳輪に湿疹やただれが生じた
  • 腕を挙げると乳腺がひきつれる感じがする
  • など

乳腺炎

乳腺炎とは、乳腺(母乳をつくって分泌する器官)が細菌に感染して炎症を起こした状態のことです。分娩後、体が妊娠前の状態に戻っていく時期に起こりやすく、乳房の赤み、腫れ、痛み、高熱などの症状が出ます。膿が出たりして治りにくい時には投薬治療や注射で膿を抜き取るなどの外科的処置が必要な場合もあります。
乳汁の流れが悪くなってマッサージや授乳後にもしこりが生じて痛みが増し、熱が出るような場合は乳腺炎の可能性があります。早めに受診してください。

乳腺炎によくみられる症状

  • 乳房が熱をもち、しこりができる
  • 乳房が張って硬くなる
  • 痛みが生じて赤く腫れる
  • 腕を上げると胸の辺りが痛む
  • 黄色っぽい乳汁が出る
  • など

乳腺症

乳腺症とは、30~50代の女性によく見られる乳腺の良性の変化です。乳房のしこりや張り、痛み、乳頭分泌などの症状があります。閉経を迎えてからは発症率が低下していきます。
女性ホルモンが増減する際に、乳腺は大きくなる、小さくなることを繰り返します。この乳腺の変化が少し強い状態が乳腺症と言われていて、基本的には病気ではありません。
乳がんとの鑑別のため、乳がんの検査と同様に問診・視触診でしこりの有無を確認し、超音波検査やマンモグラフィ検査を行います。

乳腺症によくみられる症状

  • 乳房や乳房まわりの痛み、違和感がある
  • 乳房にしこりや張りがある
  • 乳頭から分泌物(透明もしくは乳白色など)がある 
  • など

乳腺線維腺腫

乳腺線維腺腫は20~30代の女性に見られる良性腫瘍です。閉経を迎える50代以上の人にはほとんどありません。弾力のあるシコリで指で押すと動きますが、痛みはありません。
悪性ではないので、切除はをせずに定期的な診察で経過を観察します。線維腺腫は基本的には2~3cmの大きさになると増殖が止まります。そして線維腺腫のほぼ半分は自然に消えていきます。しかし、急速に大きくなったり3cmを超えたりする場合、また患者様に摘出の希望があるような場合には、手術をすることもあります。

乳腺線維腺腫によくみられる症状

  • 境界の明瞭なしこりが触れる
  • しこりの大きさが1~2cmくらい
  • しこりは弾力があり、ころころと動く
  • 痛みを伴わない など

乳管内乳頭腫

乳管内乳頭腫とは、乳管に発生する良性腫瘍です。30代後半から50代の女性に多く発症します。腫瘍が大きくなると乳頭の付近にしこりとして感じます。また、乳頭からの分泌物をきっかけに受診し、発見されることがよくあります。分泌物は透明であったり血液が混じっていたりと様々です。
乳がんとの鑑別のため、乳がんの検査と同様に問診・視触診でしこりの有無を確認し、超音波検査やマンモグラフィ検査を行います。

乳管内乳頭腫によくみられる症状

  • 乳頭近くにしこりがある
  • 乳頭から透明もしくは乳白色の分泌物がある など